職業紹介とは、求人及び求職の申込みを受け、求人者と求職者との間における雇用関係の成立をあっせんすることです。
職業紹介は公的機関が中心であり、職業紹介事業で取り扱うことができる職業の範囲は限られていましたが、平成11年に職業安定法が大幅に改正され、職業紹介事業の役割が格段に大きくなりました。
平成16年3月には、許可・届出制の見直し、兼業禁止の撤廃などさらなる規制緩和が行われ、より多くの事業者が参入できるようになりました。
職業紹介事業と類似の事業との区分は次のように考えられます。
○いわゆるスカウト行為
(求人者に紹介するため求職者を探索した上、当該求職者に就職するよう勧奨し、これに応じて求職の申し込みをした者をあっせんする行為)
○いわゆるアウトプレースメント事業
(教育訓練、相談、助言等のみならず、職業紹介を行う場合)
これらは、職業紹介事業に含まれます。
×求人・求職情報の提供事業
(求人情報または求職情報を提供するのみで、求人又は求職の申込みを受けず、雇用関係のあっせんを行わない場合)
これは、職業紹介事業に含まれません。
職業紹介事業は、有料で行う事業と無料で行う事業があります。
有料職業紹介事業
(許可制) |
無料職業紹介事業以外の職業紹介を行う事業が該当します。すなわち、営利を目的とするか否かにかかわらず、職業紹介に関し、対価を徴収して行う職業紹介事業です。 |
| 有料職業紹介事業を行うには厚生労働大臣の許可を受けなければなりません。 |
無料職業紹介事業
(許可制又は届出制) |
職業紹介に関し、利潤を得ることを目的としないだけでなく、いかなる名義でも、手数料又は報酬を受けないで行う職業紹介事業です。 |
| 一般の者が無料職業紹介事業を行うには厚生労働大臣の許可を受けなければなりません(学校等、特別の法律により設立された法人及び地方公共団体の行う無料職業紹介事業は届出制です)。 |
有料職業紹介事業では、港湾運送業務に就く職業及び建設業務に就く職業以外の職業は全て取り扱うことができます。
| 取扱職業の範囲・・・ |
港湾運送業務に就く職業及び建設業務に就く職業以外の職業 |
|
| @ |
港湾運送業務 |
|
港湾労働法第2条第2号に規定する港湾運送の業務及び同条第1号に規定する港湾以外の港湾において行われる当該業務に相当する業務として政令で定める業務をいいます。 |
| A |
建設業務 |
|
土木、建築のその他工作物の建設、改造、保存、修理、変更、破壊若しくは解体の作業又はこれらの作業の準備に係る業務をいいますが、この業務は建設工事の現場において直接これらの作業に従事する者に限られます。 |
(職業安定法第32条の11)
【取扱職業の範囲の届出】
職業紹介事業者は自己の取り扱う職業の範囲を定めることができます。
| ◇ |
取扱職業の範囲を定めたときは、厚生労働大臣に届け出なければなりません。これを変更した場合も同様です。 |
| ◇ |
この場合には、求人・求職の申し込みに関する原則は、その範囲内に限り適用されます。 |
(職業安定法第5条の5、同5条の6、同第32条の12、同第33条、同第33条の2)
【取扱地域の範囲の届出】
職業紹介事業者は、自己の取り扱う地域の範囲を定めることができます。
| ◇ |
取扱地域の範囲を定めたときは、厚生労働大臣に届け出なければなりません。これを変更した場合も同様です。 |
| ◇ |
この場合には、求人・求職の申し込みに関する原則は、その範囲内に限り適用されます。 |
(職業安定法第5条の5、同5条の6、同第32条の12、同第33条、同第33条の2)
| ◇許可制度 |
有料職業紹介事業を行おうとする者は、厚生労働大臣の許可を受けなければなりません。 |
| ◇許可手続 |
| ○ |
許可の申請は、「有料職業紹介事業許可申請書」(様式第1号)及び事業計画書(様式第2号)を3部、所要の添付書類を2部作成し、その主たる事務所の所在地を管轄する都道府県労働局(事業主管轄労働局)を経由して、厚生労働大臣に提出することにより行います。 |
| ○ |
許可を得るためには次項に記す許可基準を満たさなければなりません。 |
| ○ |
有料職業紹介事業の許可申請に当たっては、許可手数料として申請書に【5万円+1万8千円×(職業紹介事業を行う事業所数−1)】分の収入印紙を貼付することが必要です。また、平成18年4月1日からは登録免許税(9万円)の納付に係る領収証書も申請書に添付することが必要になりました。 |
| ○ |
申請の手続きは、事業開始予定時期のおおむね2〜3ヶ月前までに行う必要があります。 |
|
| ◇許可単位 |
事業の許可は、原則として職業紹介事業を行う事業主単位で行われます。従来、事業の許可は、事業所単位(支店単位)で行われていましたが、平成16年3月より、事業主単位(会社単位)に改められ、手続が簡素化されました。 |
| ◇許可の有効期間 |
○新規許可の場合:3年
○更新許可の場合:5年 |
| ◇更新手続 |
| ○ |
許可の有効期間満了後も引き続き職業紹介事業を行おうとする者は、厚生労働大臣に対し、許可の有効期間更新の申請をしなければなりません。 |
| ○ |
許可の有効期間更新の申請は、有効期間が満了する日の30日前までに「職業紹介事業許可有効期間更新申請書」(様式第1号)及び事業計画書を3部、所要の添付書類を2部作成し、事業主管轄労働局に提出して行います。 |
| ○ |
有料職業紹介事業の更新に当たっては、更新手数料として申請書に【1万8千円×職業紹介事業を行う事業所数】分の収入印紙を貼付することが必要です。 |
|
| ◇申請前の相談 |
事業を行おうとする者は、事業所、申請書類等を準備する前に事業主管轄労働局とよく相談し、許可要件等を確認する必要があります。 |
| ◇職業紹介責任者講習の受講 |
| ○ |
許可の申請に先立って、職業紹介責任者の予定者は職業紹介責任者講習(新規講習)を受講しなければなりません。 |
| ○ |
講習の受講は都道府県労働局による申請の受理の日の5年以内のものに限られます。 |
|
| ◇許可証の交付 |
| ○ |
事業が許可されると、事業を行う事業所の数に応じ、「職業紹介事業許可証」が交付されます。 |
| ○ |
許可証の交付を受けた者は、許可証を、事業を行う事業所ごとに備え付け、関係者から請求があったときは提示しなければなりません。 |
|
| ◇許可の条件 |
| ○ |
事業の許可には、条件が付され、及びその条件が変更されることがあります。条件が付加されるのは、事業の運営に当たり、労働力の適正な需給調整を図る観点から許可をした後においても一定の条件の下に当該事業を行わせることが必要と考えられる場合で、必要最小限のものに限られます。具体的には次の事項です。 |
|
| @ |
児童の紹介禁止関係 |
| 労働基準法第56条により禁止される児童の紹介を行わないこと。 |
| A |
兼業の場合の紹介関係 |
| 貸金業又は質屋業と兼業する場合は、その兼業する事業における債務者について紹介を行わないこと。また、金銭を貸し付けている者等の自己の債務者を求職者としないこと。 |
| B |
変更の届出により事業所を新設する場合、当該事業所においても許可基準の所定の要件を満たすこと。 |
| C |
合理的な理由なく特定の求人に限って職業紹介を行うものでないこと。 |
| D |
職業紹介事業所間の業務提携関係 |
| E |
法第33条の7の規定による厚生労働大臣の勧告の遵守 |
|
| ○ |
この場合には、「職業紹介事業許可証」とは別に、「許可条件通知書」が交付されます。 |
|
| ◇不許可の処分 |
許可申請が不許可処分とされた場合には、その理由を示した不許可通知書が申請者に交付されます。 |
有料職業紹介事業を営もうとする者は、一定の欠格事由(禁固以上の刑又は一定の労働法等に違反して罰金の刑に処せられ、その後5年を経過しない等)に該当しないことのほか、次の1〜3の許可基準を満たしていることが必要です。
1.申請者が、事業を健全に遂行するに足りる財産的基礎を有すること
| (1) |
資産(繰延資産及び営業権を除く)の総額から負債の総額を控除した額(以下「基準資産額」という。)が500万円に申請者が有料職業紹介事業を行おうとする事業所の数を乗じた額以上であること。 |
| (2) |
事業資金として自己名義の預貯金額が150万円に申請者が有料職業紹介事業を行おうとする事業所の数から1を減じた数に60万円を乗じた額を加えて得た額以上となること。 |
|
2.個人情報を適正に管理し、求人者、求職者等の秘密を守るために必要な措置が講じられていること
| (1) |
求職者の個人情報を適正に管理するための事業運営体制が整備されていること |
| (2) |
求職者の個人情報を適正に管理するための措置が講じられていること |
|
3.申請者が、当該事業を適正に遂行することができる能力を有すること
| (1) |
代表者及び役員(法人の場合に限る。)に関する要件 |
|
| ○ |
貸金業の規制等に関する法律第2条第1項に規定する貸金業を営む者にあっては同法第3条の登録、質屋営業法第1条に規定する質屋営業を営む者にあっては同法第2条の許可をそれぞれ受け、適正に業務を運営していること。 |
| ○ |
風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律第2条第1項に規定する風俗営業、同条第5項に規定する性風俗関連特殊営業、同条第11項に規定する接客業務受託営業、その他職業紹介事業者との関係において不適当な事業を営むものでないこと 他。 |
|
| (2) |
職業紹介責任者に関する要件 |
| (3) |
事業所に関する要件(面積は原則として20平方メートル以上) |
| (4) |
適正な事業運営に関する要件 |
|
| イ |
申請者及び申請者が行う他の事業との関係に関する要件
・派遣事業と兼業する場合の「事業運営の区分に関する判断」他 |
| ロ |
業務の運営に関する規程の要件 |
| ハ |
手数料に関する要件 |
| ニ |
名義貸しに関する要件 |
| ホ |
国外にわたる職業紹介に関する要件 |
|
|
【新規許可申請時の添付書類一覧】
| 法人の場合 |
| @事業計画に関する書類 |
有料職業紹介事業を行う事業所ごとの当該事業に係る有料職業紹介事業計画書(様式第2号) |
| A法人に関する書類 |
○定款又は寄附行為
○法人の登記事項証明書 |
| B代表者、役員に関する書類 |
○住民票の写し
○履歴書
| ○ |
【代表者、役員が未成年で、職業紹介事業に関し営業の許可を受けていない場合】法定代理人の住民票の写し及び履歴書 |
| ○ |
【代表者、役員が未成年で、職業紹介事業に関し営業の許可を受けている場合】法定代理人の許可を受けたことを証する書面 |
|
| C職業紹介責任者に関する書類 |
職業紹介事業を行う事業所ごとの職業紹介責任者の住民票の写し及び履歴書(職業紹介責任者が役員と同一である場合には提出を要しない。) |
| D資産及び資金に関する書類 |
| ○ |
貸借対照表及び損益計算書(税務署に提出したもの) |
| ○ |
職業紹介事業に関する資産の内容及びその権利関係を証明する次の書類 |
| 【法人の場合】 |
| ・法人税の納税申告書別表1及び4(税務署の受付印のあるものに限る。) |
| ・納税証明書(その2)所得金額に関するもの |
| 【個人の場合】 |
| ・所得税の納税申告書第1表(税務署の受付印のあるものに限る。) |
| ・納税証明書(その2)所得金額に関するもの |
| ・預貯金の残高証明書(預貯金を資産とする場合) |
| ・不動産の登記事項証明書及び公的機関による不動産の評価額証明書の写し等(例えば固定資産税の評価額証明書)(不動産を資産とする場合) |
| ○ |
所有している資金の額を証明する預貯金の残高証明書及び貸付金残高証明書 |
|
| E個人情報の適正管理に関する書類 |
職業紹介事業を行うごとの当該事業に係る個人情報管理規程 |
| F業務の運営に関する書類 |
職業紹介事業を行う事業所ごとの当該事業に係る業務の運営に関する規程 |
| G事業所施設に関する書類 |
| ○ |
【所有の場合】職業紹介事業を行う事業所ごとの当該事業に係る建物の登記事項証明書 |
| ○ |
【賃借の場合】職業紹介事業を行う事業所ごとの当該事業に係る建物の賃貸借又は使用貸借契約書 |
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| 【国外にわたる場合】H相手先国に関する書類 |
| ○ |
相手国の関係法令 |
| ○ |
【取次機関を利用しない場合】相手先国において、国外にわたる職業紹介について事業者の活動が認められていることを証明する書類及び当該書類が外国語で記載されている場合はその日本語訳 |
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| 【国外にわたる場合】I取次機関に関する書類 |
| ○ |
取次機関及び事業者の業務分担について記載した契約書その他事業の運営に関する書類 |
| ○ |
相手先国において、当該取次機関の活動が認められていることを証明する書類及びその日本語訳(相手国で許可を受けている場合にあっては、その許可証の写し) |
|